フィギアスケートの羽生結弦(はにゅうゆづる)選手がオリンピックで金メダルを連覇を果たし、史上最年少で国民栄誉賞を受賞することとなりました。
世界中を魅了した演技と 素晴らしい活躍は、まさに「国民栄誉賞」に相応しいといえますよね。
ところで、国民栄誉賞にはどんな特典・優遇があるのでしょう。
「国民栄誉賞」という言葉は知っていても、選定基準、賞金や記念品、年金や税金の優遇など、意外に知らない事も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は国民栄誉賞について色々調べてみました。
賞金や特典、また過去に受賞を辞退した方の意外な辞退理由も含めて、興味深い内容でお届けしたいと思います!
国民栄誉賞をもらうとどんな特典があるの?
国民栄誉賞を受賞してもらえるのは
賞状と楯、記念品のみです。
受賞者には「表彰状及び盾」のほか「記念品又は金一封」が贈られるのですが、過去に「賞金(お金)」を選んだ方はまだいません。
みなさん記念品を選んでいますね。
記念品は、自分の好きなものを自己申告できるので、ご褒美に好きなものを買ってもらう感じに似てるかもしれません。
レスリングの伊調馨(いちょうかおり)選手は西陣織の帯を、マラソンの高橋尚子さんはパテック・フィリップの腕時計(97万円相当)をもらっていましたよね。
ピョンチャンオリンピックで金メダル連覇を果たした羽生結弦(はにゅうゆづる)選手も国民栄誉賞の授与が決定しましたが、ご褒美の記念品には何を選ぶのでしょうか。
国民栄誉賞の記念品の上限額はいくら?
国民栄誉賞の記念品の上限は100万円。
はっきりと100万円と決まっているわけではないのですが、最近の慣例として、常識の範囲内の金額が100万円となっているようです。
没後に受賞した方も多く、その場合は菊紋の入った銀杯(銀製品)が贈られています。
希望制なので、受賞の記念となるものを自分で選べるのはいいですよね。
受賞した皆さんどのような記念品を選んでいるのでしょうか?
歴代の受賞者が選んだ記念品は?
記念品として歴代の受賞者が選んだ品にはどんなものがあるのでしょう。
国民栄誉賞の基準は、厳格な基準があるわけではなく、国民栄誉賞表彰規程に基づいて、時の総理大臣が決定します。
それでも、広く国民に愛され顕著な業績をあげた者に贈る名誉の賞であることに変わりはありません。
国民栄誉賞受賞者への年金の優遇は?
国民栄誉賞受賞者への年金の優遇、税金の免除はありません。
年金優遇が存在するのは文化功労者(年350万円支給)や人間国宝(年200万円支給)など。
ちなみに文化功労者への年金支給は平成29年度で243名、約8億5100万円の予算で支給があっています。
国民栄誉賞には年金優遇・税金免除などのメリットはありません。
日本国憲法では
「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない」
となっているので、「国民栄誉賞」は名実共に名誉賞なんですね。
国民栄誉賞辞退の意外な理由
過去に国民栄誉賞を辞退した人は3名います。
福本豊さん、古関裕而さん、イチロー選手です。
古関裕而さんは没後だったため、親族が受賞を辞退しました。
イチロー選手は、2度受賞の打診がありましたが「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」との理由で受賞となりませんでした。
なんだかイチロー選手らしいカッコ良すぎる辞退理由ですよね。
福本豊さんは自らの解釈で「呑み屋にも行けなくなる。また王さんのような野球人になれる自信はなかった…」など、ユニークな理由での辞退。
飲み屋に行くことは別に問題ないと思うのですが、たとえ名誉な賞でも精神的ににプレッシャーに感じることもあるんですね。福本さんの謙虚な人柄を感じずにはおれません。
まとめ
国民栄誉賞についてまとめてきました。いかがでしたか?
授与されるのは楯と賞状、そして記念品のみというのは、ちょっと意外だったのではないでしょうか。
それでも、受賞によって得られる「尊敬」や「名誉」は自身の誇りとなり、特典を上回る恩恵もあると思います。
没後に受賞する方も多くいますが、できれば存命中に授与できたらいいのにと、その点だけ残念に思います。